相続税の申告は正しくきちんと

11月に入り会社勤めの方は年末調整の用紙が回ってきて、扶養控除や配偶者控除さらには保険料控除の申告書といったものの記入に頭を悩ませているのではないでしょうか。年一度だけのことですが内容がなかなか覚えにくく、しかも細かな字で説明が一杯書いてあるので何がどうなっているのかわかりにくいですよね。
最近ある芸能人が税務調査で税の申告漏れを指摘され世間を騒がせていましたが、多くの人にとって税の問題は頭の痛いところです。そして不適切な処理をすると税務調査を受けたり、場合によっては延滞税や加算税などのペナルティを受けることにもなりかねません。

もちろん納税は勤労、教育と共に国民の三大義務ですからきちんと申告して納めるべきものではありますが、その計算や手続きは正しい知識がないと難しいことも確かです。
国税庁によると2018年の一年間で約9万件ほどの税務調査が行われ、その中で相続税に関するものが約1万件含まれています。これは7万件余りの所得税に比べると少ないようですが、もともと申告自体が少ないこともあり、税務調査を受ける割合で言えば10件に1件とかなり高くなっています。実際に申告漏れを指摘されるケースも多いようです。

具体的にどんな財産について指摘されているかと言うと、一番多いのが預貯金に関するものでおよそ1/3を占めています。次いで有価証券や土地・建物などの不動産がそれぞれ15%前後で続いています。預貯金については本来は被相続人(亡くなった人)名義で申告が必要なものを、相続人の口座を借用したいわゆる「名義預金」と呼ばれるものにして申告していないケースが多くなっています。また相続税の申告にあたっては相続が発生した時点での預貯金残高を記載する必要があるのに、亡くなってから多額のお金を引き出した後の残高を記載したケースなどが見られるようです。

そもそも相続税の申告はどのような場合に必要かと言うと、相続財産の合計額が基礎控除額である3,000万円+(相続人の数×600万円)、例えば妻と子供1人の場合は4,200万円以下であれば申告は不要です。ただしいろいろな特例を利用して控除額以下になっている場合は、本来は控除額を超えているため納税額が0円だったとしても申告は必要となります。例えば1億6千万円までなら税額が軽減できる配偶者控除を適用する場合でも、相続税の申告は必要なので注意してください。その期限は、相続の発生を知った日の翌日から10ヶ月以内となっています。

その他、税務調査においては単純な間違いとして、いろいろな条件がそろって初めて適用される特例なのにその条件がそろっていないとか、受取った生命保険金の申告(500万円×法定相続人の数という非課税枠を超えた部分)が漏れているなどのケースがあるようです。こうした事柄については、いずれもかなり正確な知識が求められることは言うまでもありません。
このように相続に関しては手続きや税の面で難しい問題が多いので、不安のある方はやはり専門家に相談するのが一番良いと思われます。