マンションの相続について考える

2020年(令和2年)を迎えました。わが国の高齢化と少子化は、今後もますます進みそうです。
さて先月の相続登記に関連し、今回はマンションの相続について取り上げたいと思います。言うまでもなく預貯金や有価証券など分割や交換がしやすい財産と違い、マンションという不動産は相続するとなるといろいろな問題が起こりがちです。
戸建ての場合は所有者は少人数なのでそれをどうするかの意思決定は比較的容易ですが、マンションは多人数による区分所有という形態なので何かと悩まされることが多くなります。亡くなられた被相続人と一緒に住んでいた場合はいろいろな事情もある程度知っているわけですが、住んでいない親族のマンションなどを急に相続すると少々厄介です。

通常マンションは区分所有者が集まって管理組合を作り、管理会社に管理費や修繕積立金の集金や日々の管理清掃業務などを委託しています。区分所有者には毎月それなりの費用が発生するとともに、管理組合運営のため理事などの役員に就かなければならないこともありますし、また固定資産税の納付といったさまざまな負担がかかってきます。
このようなマンションを相続するとすれば、そのまま継続して所有するか、あるいは売却するかの方針を決めることがまず求められます。仮に所有を継続する場合でも、それをいつまで所有するのか、あるいは誰かが住むのか(賃貸の可能性も含めて)といったことを検討しなければなりません。また売却する場合でも、物件の立地環境や築年数、内装設備などによってどのくらいの価額になりそうか相場を確認しながら見究めなければなりません。それぞれにメリットやデメリットがあると思われますので、それらを比較しながらいずれが望ましいかを判断する必要があります。

一般的に相続対象となるマンションは、かなりの築年数の物件であると予想されます。この点に関しよく言われるのは、マンションはいったいどれくらいの年数まで住めるかという寿命(耐用年数)の問題です。これについてはいろいろな説があり、また見方によっても変わってきます。
例えば税法では減価償却の面から耐用年数はひとまず47年とされていますが、これはあくまでも建物価値の計算上の話でありその後も住むことは可能です。建物として見ると、RC(鉄筋コンクリート)造りでは寿命はおよそ100年と言われます。しかし建物としては維持できても、内部の配管などが老朽化して取替えできないと住めなくなってしまいます。ですから建築条件の違いなどで一概に何年と言うのは難しいのですが、おおむね長くても80~100年というのが一つの目安ではないでしょうか。
なおマンションを建替えるには、区分所有者の4/5以上の賛成が必要という条件にも留意しておきたいものです。

このように継続所有するにしろ売却するにしろ、そのマンションの現状と今後の見通しをよく把握した上でそれぞれの違いを十分に比較検討し結論を出すのが望ましいでしょう。まだ相続が発生していなくても近い将来その可能性があるのであれば、今のうちから調べてそれに備えておくことも大切と思われます。